ActiveDirectroyからEVECLOUDへのアカウントを同期するためのツールです。(ADSync ver.1.12.0以降 Windows Server 2025 対応済み)
以降の作業は、管理者権限のあるアカウントで行ってください。

同期可能な処理
同期方向処理内容
AD → EVECLOUD追加ADユーザ追加時にEVECLOUDアカウントを追加する
削除ADユーザ削除時にEVECLOUDアカウントを無効にする
PW変更ADユーザのPWを変更したときにEVECLOUDのWinログイン情報を更新する
データダウンロード

ツールのデータ「ADSync.zip」は下記ボタンよりダウンロードいただけます。

同期可能な情報
ADの属性同期
方向
EVECLOUDのデータ内容
userPrincipalName
sAMAccountName
employeeNumber
mail
givenName
sn
displayName
userIdEVECLOUDのユーザーID
ADの属性を指定して同期
userPrincipalNameuserName (appData50008)EVECLOUD Windows Logonのユーザー名
passwordplainPassword (appData50008)EVECLOUD Windows Logonのパスワード
passwordEVECLOUDのパスワード
displayNameuserNameEVECLOUDの表示名
descriptiondescription詳細
groupgroupId設定どおりに変換して同期
managedByrollドメインの管理者権限の時にEVECLOUDのカスタマ管理者の権限を付与

モジュールのインストール

  1. ADサーバーで「ADSync.zip」を解凍し「C:¥EVECLOUD¥ADSync」へ展開(コピー)します。
  2. 「ADSyncAdminTool.exe」を実行し、管理者ツールを起動します。
    ファイル機能
    ADSyncAdminTool.exeAD同期ツールのインストールと動作確認を行うための管理者用ツールです。
    ad_user_sync.exeAD同期ツールの本体です。Windowsサービスとして動作します。
    evecloud_password_filter.dllADユーザーのパスワード変更を検出してAD同期ツール本体に通知します。
    EventlogHook.exeイベントログの変更を受け、ADユーザーの削除をAD同期ツール本体に通知します。
    ad_user_sync.ini同期ツールの設定ファイルです。
  3. 「インストール」ボタンをクリックしてAD同期ツールのインストールを実行します。

    主なメニュー項目とボタンの機能は以下の通りです。
    メニュー項目ボタン名称機能
    AD同期サービスの設定インストールPCにAD同期ツールのサービスをインストールします。
    アンインストールインストールしたものをすべて削除し、サービスを解除します。
    サービスの開始AD同期ツールのサービスを開始します。
    サービスの停止AD同期ツールのサービスを停止します。
    接続テストAD接続ADへの接続を行います。
    また、AD設定後の動作確認に使用します。
    EVECLOUD接続
    ADユーザーの情報取得ユーザー情報取得ADへ接続し、ユーザー情報が取得可能か確認します。
    EVECLOUDサーバーへの通知テストパスワード更新ADのユーザーを追加した際の処理を呼び出してテスト実行します。
    ユーザー削除ADのユーザーを削除した際の処理を呼び出してテスト実行します。
    ADイベントユーザー削除ログ実際のADユーザーを削除した際のログを確認できます。
    PW更新ログ実際のADユーザーのパスワードを更新した際のログを確認できます。
  4. 「インストール」を実行時には以下の処理を行います。
    • evecloud_password_filter.dllをシステムフォルダにコピー
    • evecloud_password_filter.dllをレジストリに登録
      • HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Lsa
      • Notification Packages(REG_MULTI_SZ)にevecloud_password_filterを追加
    • ad_user_sync.exeをサービスに登録
    • フォルダの作成(C:\Log)
  5. OSを再起動します。同期ツールのインストールはこれで完了です。

ADへの接続方法

AD同期ツールから接続時、ADへの接続には「LDAP (シンプルバインド)」「LDAP(StartTLS)」「LDAPS(SSL/TLS)」の3通り方法があります。
詳細は「AD同期接続設定」を参照してください。

AD同期ツールの設定

  1. AD同期ツールの設定は「C:\EVECLOUD\ADSync\」にある iniファイルで行います。
    「ad_user_sync.ini」をエディタ等で編集し、設定の変更を行ってください。
    キー必須内容
    [evecloud]
    urlEVECLOUDのエンドポイント(通常時は設定不要)
    検証やデモ用途で本番環境以外のサーバーを利用する場合に指定します。
    customerId必須EVECLOUDのカスタマーIDを設定します。
    userId必須同期に使うEVECLOUDアカウントのユーザーIDを設定します。
    password必須同期に使うEVECLOUDアカウントのパスワードを設定します。
    proxyプロキシサーバーを経由して通信する場合に指定します。
    [ad]( [ad2] は、マルチドメイン時に設定)
    connectType必須ADへの接続方法を選択します。詳細は「AD同期接続設定」を参照。
    0:LDAP (デフォルト)
    1:LDAP+StartTLS
    2:LDAPS
    uri必須ADのエンドポイントを選択します。
    ldap://localhost:389(LDAP、LDAP+StartTLS時)
    ldaps://localhost:636(LDAPS時)
    bindDN必須ADに接続する際のユーザID (UPN形式)
    bindPassword必須ADに接続する際のパスワード
    domain必須接続先のドメインを指定(UPN形式)
    workgroup必須接続先のドメイン名を指定(ワークグループ形式)
    OU名=EVECLOUDのグループIDOUに対してEVECLOUDのグループを紐づけします。
    「OU名=EVECLOUDのグループID」でOUごとにグループを指定します。指定のないOUはEVECLOUDの「default-group」に登録されます。
    記入例:dev_ou=dev-group
    [group1] ~ [group20](詳細は「グループの振り分け条件」を参照)
    evecloud_groupid条件に一致したユーザーを同期するEVECLOUDのグループIDを指定します。
    一致したユーザーを同期しない場合は「non」を指定します。
    attribute11つ目の条件の属性を指定します。アトリビュートは以下を指定できます。
    ・ou:OU名
    ・memberOf:所属するグループ
    ・company:会社名
    ・department:部署
    ・title:役職
    ・physicalDeliveryOfficeName:事業所
    ・info:メモ欄
    data11つ目の条件のデータを指定します。完全一致のみ。
    attribute22つ目の条件の属性を指定します。
    条件が1つの場合は場合はコメントアウト、または空白を指定します。
    data22つ目の条件のデータを指定します。
    条件が1つの場合は場合はコメントアウト、または空白を指定します。
    [userSync]
    port待ち受けポート番号を指定します。ADにインストールしたツール間で通信を行います。
    subUri*別のADにインストールしたuserSyncのURLを設定します。
    ADが複数台ある場合はすべて記載してください。
    記入例:subUri1=https://ad2.dds.co.jp:10456
    addUserEVECLOUDアカウントが無い場合に自動で作成するか否かを設定します。
    0:EVECLOUDのアカウントを作成しない
    1:EVECLOUDのアカウントを作成する(デフォルト)
    delUserADユーザーを削除したときにEVECLOUDアカウントを削除するか否かを設定します。
    0:EVECLOUDのアカウントは削除しない(デフォルト)
    1:EVECLOUDのアカウントを削除する
    EvecloudPasswordSyncADパスワードの更新時にEVECLOUDのパスワードを更新するか否かを設定します。
    0:更新しない
    1:更新する(デフォルト)
    WinloginPasswordSyncADパスワードの更新時にEVECLOUDのWindowsログイン情報を更新するか否かを設定します。
    0:更新しない
    1:更新する(デフォルト)
    managedBy「Domain Admins」に所属するユーザーをEVECLOUDの管理者として登録するか否かを設定します。
    0:権限は同期しない
    1:(デフォルト)
    ・管理者グループに所属するアカウントは、テナント管理者として登録&更新が行われる。
    ・管理者グループに所属しないアカウントは、一般ユーザーとして登録され権限の更新は行われない。
    userIdEVECLOUDのユーザーIDとして登録するADの属性を設定します。
    ・sAMAccountName:EVECLOUD\userのuserの部分がEVECLOUDのユーザIDになります
    ・userPrincipalName:user@evecloud.localがEVECLOUDのユーザIDとなります
    ・employeeNumber
    ・mail
    ・givenName
    ・sn
    ・displayName
    nameEVECLOUDの表示名として登録するADの属性を設定します。
    表示名を更新するかどうかは「updateName」の項目で指定します。
    ・userPrincipalName:ユーザーログオン名 user01@evecloud.local
    ・upnUser:userPrincipalNameの@から前の部分
    ・sAMAccountName:ユーザーログオン名 Windows2000以前 「EVECLOUD\user01」の\から後ろの部分
    ・employeeNumber:社員番号
    ・mail:電子メール
    ・sn+givenName:性+名前 ※間に半角スペースが入ります。
    ・givenName:名
    ・sn:性
    ・displayName:表示名
    updateNameEVECLOUDの表示名を上書きするか否かを設定します。
    0:EVECLOUDの表示名ある場合は上書きしない(デフォルト)
    1:EVECLOUDの表示名ある場合は上書きする
  2. 編集完了後は、管理者ツールの「接続テスト」項目にある、「AD接続」ボタン、「EVECLOUD接続」ボタンから接続の確認をします。
  3. テスト後、問題が無ければツールの「サービスの開始」ボタンからサービスを開始してください。

グループの振り分け条件

EVECLOUDのグループへの同期条件を詳細に指定することができます。
下記情報を参考に「ad_user_sync.ini」ファイルをエディター等で編集します。
グループ振り分け条件は、1つの[group]セクションを1つのグループ振り分け条件とし、1~20まで指定できます。

  • グループへの振り分けは最大で20まで指定できる:EVECLOUDのグループを最大20個作成し振り分けが可能
  • 同期条件のアトリビュートは2つまで指定できる
  • 条件を上から確認していき一致した条件のグループに振り分ける
  • 同期先にはEVECLOUDのグループを指定できる、または同期しないことも指定できる
例えば以下のような振り分けが可能
  • 例1
    • 部署名(department )がdev2、役職(title)が課長のユーザーはevecloud_dev2_admin_groupグループ
    • 部署名(department )がdev2のユーザーはevecloud_dev2_groupグループ
  • 例2
    • OU(ou)がeigyo_ouで事業所(physicalDeliveryOfficeName)がtokyoのユーザーはtokyo_eigyoグループ
    • OU(ou)がeigyo_ouで事業所(physicalDeliveryOfficeName)がnagoyaのユーザーはnagoya_eigyoグループ
    • OU(ou)がeigyo_ouのその他の人ははeigyoグループ
  • 例3
    • メモ欄(info)がgroup1のユーザーはgroup1グループ
    • メモ欄(info)がgroup2のユーザーはgroup2グループ
    • その他の人は同期しない

グループポリシーの設定

ADでユーザーを削除する際にイベントログが出力されるよう、グループポリシーを設定します。グループポリシーの設定手順は以下の通りです。

  1. Windowsキー + R で「ファイル名を指定して実行」を開き、「mmc」と入力してOKを押します。
  2. 「Microsoft管理コンソール」が開いたら、ファイルメニューの「スナップインの追加と削除」を選択します。
  3. 「利用できるスナップイン」列から「グループポリシーの管理(グループポリシーオブジェクトエディター)」を選択して、追加します。
  4. ドメインを選択して右クリックメニュー「このドメインにGPOを作成し、このコンテナにリンクする」を選択、任意の名前を設定します。
  5. リンクされたグループポリシーから作成したポリシーを選択し、右クリックメニューの「編集」を選択します。
  6. 「コンピュータの構成」→「ポリシー」→「Windowsの設定」→「セキュリティの設定」→「ローカルポリシー」→「監視ポリシー」から「アカウント管理の監査」を選択し「成功」を監査対象にします。
  7. 動作確認をします。ドメインにアカウントを追加、削除後、イベントログに「ID4726」のイベントが出力されることを確認してください。